何の説明も無いので、ジャケットデザインの良さを信じて購入したが、プレイヤーにかけてみたら何やら聞き覚えのある曲が...
なんと中身はRCAレコードのコンピレーション作品でした。
#1, 3, 6〜8, 10, 12 が「Easy Living」より
#2, 5, 11, 13 が「Take Ten」より
#4, 9 が「Desmond Blue」より
#14 が「Two of a Mind」よりそれぞれ収録されています。
最初は「失敗した」と思ったが、収録時間(約77分)と価格を考えれば、デスモンドをあまり聴いていない人への入門盤としては最適だと思う。
なお、上記のアルバムは私の愛聴盤でして、コンピレーションと言っても演奏内容はどれも素晴らしいです。
僕も名盤だと思います。ポールデスモンドのプレイスタイルはコルトレーンやマイルスなんかと対極にあり決して派手ではありませんが流麗で無駄のないフレーズの組み立て、驚くほどシンプルで美しいメロディを瞬間的に溢れるように奏でる、唯一無二なものです。センスの塊のようなミュージシャンです。僕もほぼ毎日のように聴いてますが心を掴んで離さない演奏は素晴らしいの一言です。
それにしても一体評論家と呼ばれる皆さんは何をもって名盤と位置付けしているのか?もっと掘り下げて聴くべきでしょう。僕も松本さんの意見に同感です。
このCDに収められている名曲「テイク・ファイヴ」ですが、リーダーのデイヴ ・ブルーベックは、3+2拍子の5拍子という変拍子を本当に律儀に刻んでいます。一方メロディーを奏でるアルトサックスのポール・デスモンドは、とても柔らかくしなやかな音でスウィングしています。これだけ甘い音色のアルト・サックス、というのもなかなか聞けません。途中のドラム・ソロのジョー・モレロのアド・リヴもいつ聞いてもステキですね。
こんなに楽しいジャズもあるのだ、という見本のような演奏です。30数年前ですが、CMにこの曲が使われ、日本でも多くの人が知っているというジャズの名曲中の名曲でもあります。ジャズと変拍子という一見風変わりな組み合わせから、とてもステキな演奏が生まれました。最近でも、アリナミンのCMでお馴染みだと思います。
この『タイム・アウト』というアルバムは、全て変拍子のジャズの演奏ばかりを集めていますので大変ユニークですよね。
個人的には、1曲目の「トルコ風ブルーロンド」の9分の8拍子の曲も気に入っています。2+2+2+3拍子という刻みですので、スウィングできるのだろうか、というものですが、デスモンドの上手さが光る演奏です。そしてとても楽しい曲ですので、印象に残るのでしょう。
本当に何十回と聴いてきたアルバムです。若い世代の方にも是非聴いて欲しいものです。