ある日突然、昔のアニメを見たくなった。そのアニメは「怪物くん」だった。小学生のときによくみていた藤子不二雄の有名な作品の1つである。テレビアニメ化されたのが1980年というから、自分が見ていたのはおそらくは再放送だろう。その「怪物くん」を含む18曲を収めたものがこの「アニメ歌年鑑1980」である。「おじゃまんが山田君」や「オタスケマン」、「トムソーヤの冒険」そして「ムテキング」など、心躍る懐かしのアニメソングのオンパレードにしばし時間が経つのを忘れてしまったほどである。「怪物くん」のオープニングの前には、狼男、フランケン、ドラキュラのお供3人の「セリフ」が含まれ、怪物くんが「うるさ〜〜〜〜い」と叫ぶなかから主題歌が始まるというデレビドラマと同じ内容になっているのがまた嬉しい。彼の声を担当したのは、「永遠の少年」の異名をとる野沢雅子である。「生命を吹き込む」声優の役割を熱く語っていた彼女のことを思い出す。なおこのアルバム集は1989年まで発売されているようである。少し余裕ができたら、他の年のアニメソングでも聞いてみよう。25年を経てアニメソングから伝わる「懐かしさ」を感じることができて幸せでした。「さ、始まるざますよ、いくでがんす、フンガ!!」とは、お供のセリフの一部である。ほんと懐かしいです、はい。
アップグレード版ということですが、自分ははっぴいえんどのライブはこれが初めてなので、とても楽しめました。「はっぴいえんどのライブはつまらなかった」なんて言われていた事もあった様ですが、全くそんな気配もありませんよ。昔の評論家の人たちはどういう耳をしていたのでしょうか。演奏は1970年8月に開催された第2回全日本フォークジャンボリーから始まり、翌年4月の「加橋かつみコンサート」1年後の日比谷野音「ロック・アウト・ロック・コンサート」と「第3回全日本フォークジャンボリー」の4つのライブ音源からセレクトされており、ちょうど「はっぴいえんど」と「風街ろまん」の2枚の間の時代をを聴ける事になり、「ももんが」 〜「暗闇坂むささび変化 」など楽曲が完成されていく様子も伺えます。これまで「はっぴいえんど」と「風街ろまん」の2枚しか知らなかったのが悔やまれるぐらい素晴らしい演奏で、特に松本隆さんのドラムがパワフル!細野さんの安定感のあるベースと相まって、同じ頃の欧米のグループとも遜色ないですよ。また茂さんのギターも素敵なファズトーンでうねりまくり。「かくれんぼ」などの長めのインプロパートはすこしジャズっぽいムードもあり、意外な発見でした。個人的なベストトラックは「朝」。デビューアルバムに収録されているアコースティックなバージョンはM-1のトラックで聴けるのですが(誰がヴァイブ叩いているのでしょう?)、M-14のトラックはエレクトリックなバンドサウンドですごく穏やかで静寂な空間を作り上げています。この景色は、この25年後、佐藤伸治というアーティストによって見せてもらったことを思い出しました。曲の構成や長さなどは現代のロックバンドとは違うのですが、とても40年前の若者が作り出したとは思えない名演奏ばかり。「はっぴいえんど」「風街ろまん」と共にずっと聴いていくことになりそうなライブアルバムです。
ジュリーや岸辺兄弟が在籍したザ・タイガース ”廃墟の鳩”や”花の首飾り”で透き通った歌声を聞かせてくれたトッポこと加橋かつみが、フランスに渡り作り上げたヴァーティゴからのソロ3作目 端正なアコギの響きとオーケストラの溶け合った甘美なサウンド ちぐはぐな目の色の淋しそうな表情の猫が佇む水色の世界に溶け込もう 1stソロ ”パリ・1969” と ”パリ2”は、歌詞・サウンド共にロマンチシズムとセンチメンタリズム、そして気品に満ちたこの上なく美しいアルバムです