細部にまでしっかり作られ動いた感じも良好なのでとても満足しています。
ヘヴンリー 動画
七尾旅人の音楽は、イノセントな魅力で心の奥にダイレクトに突き刺さるような力を持っていて、ある時期には取り付かれたように聞いていたのだが、今冷静に聞くと、スカスカの音の連なりにしか聞こえない。音は素晴らしい、でもそれは音楽ではなくてバラバラに組み合わされた音にしか感じられない。何故だろう??
ファーストアルバムもそうだが、まず何よりも声に芯がない。弱く小さな声でも芯があれば届くはずだが、七尾旅人の声は上部だけの響きや、器用貧乏な声色に逃げているために厚みがない。メロディはかなり素晴らしいが、声がバックの音楽に食われているので、骨格がしっかりしていないぶよぶよの身体のようなだらしなさを感じる。そしてそれが成熟できないアダルトチルドレン的な青さをさらけ出している気もする。心が綺麗であれば、未熟なままでいいのだろうか?…勿論彼にとって自分の声も一種の音に過ぎないのだろう。でも、どんなにメロディーや歌詞が素晴らしくても、声がそれを集束するくらいの力を持っていなければ、ミュージシャンとしては上手くいったとしても、普遍的な魅力には届かないだろう。その点でこのミュージシャンは非常にもったいない。海外でも通用しそうな音楽的センスは充分にあるのだが…
Heavenlyの2ndとなる本作は前作以上のものを作り上げてきた。
前作であげた曲の未整理は変化なし。
それどころか前作以上のクサ〜イメロディなので
この変化なしというのは大変ありがたいことである。
今回はDestiny、Sign Of The Winner、The World Will Be Better、Condemned To Die、
Still Believe、The Sandman、Words Of Change、Until The End
と、ほぼ全曲クサメロの嵐である。
メロスパーにとっては感動ものなのかもしれないが
やっぱり、ボーカルがへたれているのと
演奏が軽いのが若干のマイナスポイントである。(94点)