【けやかけ】松田里奈のネプリーグ事件イジリまとめ【そこさく】

カルメン幻想曲(初回限定盤)(DVD付)

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前作のツィゴイネルワイゼンを聞いた時は正直「わちゃぁ〜、やっちゃったな」と感じました。
技術云々以前に見た目だけで売ってしまえ!路線なのかなと。
で、本作も正直ジャケ買が7割、旨くなったかなぁが3割程度の気持ちで聞いてみたら結構よかったです。
選曲は他の方のレビューにもあるように極めて無難。
誰が弾いても嫌みにならない曲ばかり。というか日本人好みの曲ばかり。
でも、それも悪くないのかなと思わせるまとまり具合です。

芸術家は職人と同様、若いうちにぐーんと伸びるタイプと大器晩成型があると云われますが彼女がどちらかはわかりません。
でも本作を聞いて10年後に難しい曲をどう聴かせてくれるかなと楽しみになるアルバムでした。

松尾依里佳 動画
ドルチェ・リナ~モーツァルト:2つのヴァイオリン・ソナタ他~(初回限定盤)(DVD付)

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最初のレコーディングということもあり、本来の情熱的なMozartではないように感じました。この時期に、アルバム・デビューというのが良い選択だったんでしょうか?ロンティボーでの結果も鑑み、ドイツ留学中なので、海外の大きなコンクールで成果を是非、挙げて欲しい。コンテストの結果が演奏家の評価なんかじゃないことはよくわかりますが、まだまだ日本人演奏家が<本当の意味>で、活躍する機会であることはいまだにそうです。少女から大人の演奏家への変貌を期待しますが、やはり、この時期に安易にアルバム・デビューは?というのが松田さんを日本音楽コンクール優勝以前から知ってる者の正直な感想です。

イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ

イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ

演奏主体のロックやジャズばかり聞いてきたので、クラシックは初心者です。
ヴァイオリンの音色に強い魅力を感じ、何か凄みのあるヴァイオリンを聞きたいと思い、YouTubeであれこれとヴァイオリン独奏曲を聴いてイザイの無伴奏を選びました。
理由は、複雑で面白いことと、ロックでもなじみのある「怒りの日」のフレーズが第2番に組み込まれていること。
演奏者については、さまざまなレビューを読み、知人の意見を聞き、いろいろ迷った末、松田理奈に決めました。
理由のひとつは、現在のもっとも新しい解釈で聞いてみたいということでした。
もうひとつは、松田理奈の若さです。
クラシックに限らず、ジャズでもロックでも、演奏面でもっともすばらしいのは、結局、若い昇り調子のころだったりします。
円熟味を増したベテランの魅力はあとでも味わえますが、若い時期ならではのエネルギーに満ちた演奏こそ、こういう曲にはふさわしいのでは、と考えました。
そうして入手した本作。
実際、退屈とは無縁のエネルギーに満ちたすばらしい演奏です。
彼女の他の作品に対する、技術だの音色だのというクラシック・マニアの方々のレビューは、初心者の私にはよくわかりませんし、結局、音楽なんて自分が聞こえる音をどう感じるかということがすべてではないかと。
その点で、これだけつかみづらい音楽を終始エネルギッシュに弾きまくって飽きさせない力量は、並大抵ではないと思いますし、理屈抜きの凄みを感じさせます。
この1時間を超える緊張感の連続に喰らいついて聞き込むと、体じゅうが熱くなります。
下手なジャズやロックをはるかに凌駕するスリルに満ちています。
松田理奈は、長年ジャズやロックばかり聞いてきた私に、クラシック・ヴァイオリンの凄みを、驚愕とともに刻み付けたヴァイオリニストになりました。
すばらしいです。

まったナシ 動画