Symphony No. 3: Movement 1

チャイコフスキー : ピアノ協奏曲 第2番 他 (Tchaikovsky : Piano Concerto No.2 / Boris Berezovsky) [輸入盤]

チャイコフスキー : ピアノ協奏曲 第2番 他 (Tchaikovsky : Piano Concerto No.2 / Boris Berezovsky) [輸入盤]

ボリス・ベレゾフスキーによる、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番と、その他小曲がいくつか入っているCDです。チャイコフスキーのピアノ協奏曲と聞くと、絶対真っ先に頭に出てくるのは第一番で、第二番はほとんど知られていません。曲が長すぎる、とか、いろいろな理由があり、世間に好かれてないらしいのですが、ベレゾフスキーはいつものサラッとした感じでこの技巧に満ち満ち溢れた曲を完璧に弾ききっています。この曲は、演奏されることがほとんどなく、演奏されるとしても省略された形で演奏されることがほとんどだそうです。ですが、ベレゾフスキーは当時のオリジナル版で演奏してくれています。ベレゾフスキーは、ドライブ中に車のラジオからこの曲が流れてきて、瞬時に眠気が吹っ飛び、すぐに練習をはじめてこの録音にこぎつけたそうです。そして、私も、眠気が吹っ飛ぶくらいすごく良い曲だと感じました。本当に、なぜ2番より1番のほうが有名で人気があるのだろう!と思います。すごく不思議です。まず一楽章の雄大な素晴らしい生き生きと生気に満ち溢れている主題。とにかく素晴らしいです。聴いた瞬間、のめりこんでしまいました。次から次へと、出てくるメロディーの美しさ、素晴らしさにただただ感動するのみでした。その美しさ、雄大さをベレゾフスキーは、これでもかこれでもかという風に引き出してくれて、もう何とも言えません。素晴らしすぎます。ベレゾフスキーは、テンポが速いので、時々オケがついていかなくなってしまうのを聞いたことがありますが、このCDのオケは、そのベレゾフスキーの熱気に負けずに一緒に曲を奏でています。17分ほどの第一楽章が、5分くらいに感じられてしまうくらい、素晴らしいです。ほんとにすばらしいです。そして第二楽章。曲のほとんどがピアノと、チェロ1台とヴァイオリンのコンマスとの、三重奏のような形で進みます。そのメロディーの美しいこと。私はこれ以上哀愁の漂った、そして美しいメロディーを聴いたことがありません。個人的には、何かとの別れや、そういうたぐいの悲しい感じで始まり、チェロとヴァイオリンの二重奏で、込みあがってくる思い、そしてしずんで、またこみあげてくる…悲しみに満ちたようにはじまり、そして、ピアノが入ってきて、何かこう、やさしさとか、もう言葉に言い表せられないものを感じます。また、曲の途中では、振り乱して、何か訴えかけてくるように感じます。もう何もかもが私の心の中にどんどん入ってくる感じで、涙なしには聴くことができない曲です。第三楽章は、はじけています。これ以上楽しいことはないと言わんばかりに次から次へと音符が飛び交う、踊りたくなってしまうような曲。ベレゾフスキーは、決して技巧を見せつけることばかりでなく、そして技巧的な部分にとらわれることなく、3楽章を弾ききっています。先ほどの第2楽章をすっかり忘れてしまった感じで、思わず笑ってしまいます。途中で出てくる、民謡のようで民謡ではないようなメロディーなど、ロシア人にしか感じることのできない、なにか自然と音楽に現れてくるようなものを感じます。とにかく、素晴らしかったです。もう、本当に素晴らしい。これしか言えません。

アレクサンドル・ヴェデルニコフ
プレトニョフ&ヴェデルニコフの芸術 [DVD]

プレトニョフ&ヴェデルニコフの芸術 [DVD]

プレトニョフの弾き方が、よく見え、最高の作品でした。
大事に、見続けます。

ミハイル・プレトニョフ
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番、他

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番、他

ショスタコーヴィッチの名曲であるピアノ五重奏曲を、アルゲリッチがどう料理するかに興味のあった一枚であるが、何気なく聴き始めたピアノ協奏曲第1番から、彼女のピアノの硬質な美しさにまったく圧倒させられる。ここでは超絶技巧と感覚的な美が、互いを高め合いながら見事に両立しているのだ。ナカリャコフのトランペットがまたすばらしい(終楽章の最終部のピアノとの掛け合いを聴いてほしい)。五重奏曲の方も、名人たちの競演の型の室内楽の演奏として、最高レヴェルのものだという言い方ではいけないであろうか。
それにしても、どの曲もなんという良い曲ぞろいであろう。ショスタコーヴィッチの魅力満載である。お薦め!

ルノー・カピュソン
イタリア語
ミッシャ・マイスキー