ふざけ散らしていてアナーキー。
そして何とも音楽的。
ジターバグワルツ
エイントミスビヘイビン
ハニーサックルローズ
などの自作ヒットはもちろん、
シークオブアラビー
エラフィッツジェラルドの大ヒット曲ティスケット・タスケット
デュークエリントンのソリチュード
黒人霊歌
ゴスペル曲
スタンダード曲
など、なんでもござれの音楽マニアさんである。
200曲くらい入ってるので、
美味しいところをつかみづらいけど、
ぼくがいっちゃん驚いたのは、
「ジョージアオンマイマインド」の音楽的内容が、
レイチャールズのバージョンとまったく同じってとこ。
解釈が同じというか。
ファッツウォーラーのバージョンのテンポを落として、
丁寧にトレースするとレイチャールズのバージョンになる。
ゆうたらチャーリーパーカーとマイルスデイビスの
関係性に似てるんかな。
、、、、、、オルガン演奏によるdeep river のラストシーンにはアゼンとする。
それに、時おり現れる、美しいピアノのフレーズにも息を飲む。
底知れぬ深さと軽さをあわせもつ怪人である。
いや、快人かな。
ファッツ(フトッチョの)・ウォーラー、本名トマス・ライト・ウォーラーは1904年から1943年まで生きたアメリカの偉大なジャズピアニスト・オルガン奏者・歌手・作曲家・作詞家で、わずか39才で早世しました。その人気絶頂のときの、1943年12月にコンサート・ツアーの途中で肺炎に罹り、列車がミズーリ州カンザスシティに到着した頃に車内で急死したそうです。しかし彼は早くから多くの名曲を残しており、それらはジャズのスタンダードとして多くのアーティスト達に歌い継がれており、1曲目の"Ain't Misbehavin'(浮気はやめた)"は、その楽しく粋でスウィンギーな ラグタイム・ピアノの名人芸で、アルバム3曲目の"I'm Gonna Sit Right Down And Wright Myself A Letter (手紙を書こう)"、5曲目の"It's A Sin To Tell A Lie(嘘は罪))"、16曲目の"Tea For Two(二人でお茶を)" をはじめとする多くのラブソングはユーモアに溢れて、聴くものをウキウキさせます。もし彼の人生が数十年長かったら、あの偉大なるサッチモ、ルイ・アームストロング と人気を二分していたことと思われます。
『ファッツ・ウォーラー』って、どんな感じだろう?ってまだ、聞いたことが無い人にはお勧めの『始めの1枚』にふさわしいCDだと思います。ウォーラーの『ピアノ兼ボーカル』が、『ハスキー・ボイス』ながら茶目っ気たっぷりだったり、時には甘〜い感じの『ラブ・ソング』を聞かせてくれたり・・・・。ピアノの腕も確かな物で『インストゥルメンタル』でも十分聞かせてくれます。他のバックの演奏も『ビッグ・バンド風』で、まさに『古き良き時代のJAZZ』って感じが、私は好きです。